20210413 外出のハードル

昨日の日記の話を引き続き考えていた。改めて今、自粛期間が苦痛で仕方なくて活動を再開してるのかと問われると、そう感じてはいないかなと思う。一日中家にこもるのは性に合わないけれど、遠くに出かけて買い物したり遊んだりしたい気持ちは薄れている。映画館で映画を観る、ライブハウスでライブを観る、大きな本屋を巡る、といったことを「何となく」やりたくなることがなくなっている。こういった趣味に全く興味がなくなったわけではなく、例えばタイトルに惹かれて映画を観に行くことは今もある。ただそういった行動するハードルは上がっていて、強い目的意識がないと腰が上がらないようになった。その結果、家の近所のスーパーに通うのを楽しみにする生活になってしまったわけだけれど、コロナウイルスを気にせず自由に出かけられるようになったら、気持ちは元に戻るだろうか。

在宅勤務が主になり外出する機会が減ったことで、外出へのハードルが上がったような感覚がある。基本的に会社へ出勤していた頃はもう少し出歩く機会が多かった。「どうせ出勤して感染リスクを負うことになるのなら、プライベートでもリスクを負って何かをしないと割に合わない」というのは言葉にすると馬鹿らしい考え方で、むしろ出勤以上の感染リスクを負わないように、自分の裁量範囲ではできるだけリスクを下げるのが正しい考え方だ。でもコロナウイルスの感染が広がっている中で出勤していた当時の心理には、そのように代償を求めてしまう気持ちが少なからずあった。全て自分の身体の話なのに。

実際のところ、変異株によってコロナウイルスの感染者は増え続けており、恐らく従来の対策では感染拡大を防げない状況になっている。けれどもこの一年程の間、なんとか切り抜けられてきたという実績が過信に繋がっているように思う。誰もが経験を生かして人生を過ごしてきたし、楽観的な判断をしたいがために過去の経験にすがりたくなる気持ちはある。自分のリスクだと真剣に意識できるラインは、人口の何パーセントが感染したらだろうか。そして実際にはそんなラインを意識する前に、突然感染してしまうのだろう。本当に今回のコロナウイルスは人間の心の隙間を突くのが上手い。悪魔だ。