2021-Week25 ファスト映画/珍品/ゲリラ販売/仕事あっての趣味/感染拡大/電動歯ブラシ/人出

20210621 ファスト映画

ファスト映画」という動画ジャンルの存在を知った。映画のまとめ動画のようなものをファスト映画と呼ぶらしく、映画産業がそれを問題視しているらしい。

体験するのに長く時間がかかってしまうものは、「まとめ」の対象になりがちなのだと思う。長編小説の内容を粗筋なり漫画なりでまとめた本は以前から店頭でよく見かける。長時間の体験を短くまとめるコンテンツ自体には以前からニーズがあって、かつ正当な欲求として世の中で市民権を得ている。ファスト映画を世の中の人たちが受け入れる土壌は、世の中にすでにあったのだと思う。

このファスト映画が取り締まられようとしているのは、著作権者の利益が阻害されているからだ。ファスト映画を見た人が映画を見ないから、ファスト映画が取り締まられようとしている。

こういった「まとめ」というものは、ネタバレの一種だと私は思う。ファスト映画を見た人が映画を見ないのは、ネタバレを読んで本編を見る気が失せてしまう感覚と同じだろう。つまりファスト映画の視聴者の多くは、率先してネタバレを確認しようとしている。ネタバレを踏むぐらいなら、別にその作品のことを何も知らないままの方が余程いいと思うし、もしネタバレを見るとしたら、オリジナルをそのまま体験する価値がないと判断した場合だけれど、ファスト映画のようなネタバレを率先して好む人が増えているのが、今の世の中なのだろう。

こういった人は恐らく、作品を体験することを「情報」だと捉えているのだと思う。作品を解釈する権利を放棄して、誰かが解釈した結果だけを読んで吸収する。全ての作品には「唯一の正しい解釈」が存在していると考えてているから、誰かが解釈したネタバレを見て作品を体験したつもりになれるのだ。ただ実際には、作品を体験した人の数だけ、その作品の解釈はあるはずなのだ。ストーリーの理解が同じだったとしても、印象に残ったシーンが違うというケースは多いだろう。

ファスト映画を取り締まっても、映画のネタバレはインターネット上の様々な場所に存在している。Wikipediaだってそうだ。ファスト映画がなくなっても、情報化された体験との戦いは続く。だからファスト映画がなぜ人気なのか、脅威になり得るのかを、映画産業は真剣に考える必要があると思う。これは映画を観るという行為の価値についての話だ。映画のタイトルに興味を持った人が、じゃあ映画館に行こう、(正当な手段で)映画を全編観よう、と考えるような導線作りが映画産業には求められている。

少なくとも「『要は』こういう映画ですよ」と魅力を単純化する宣伝ばかりやっていては、ファスト映画のようなネタバレに人は流れるばかりだと思うよ。

20210622 珍品

コカコーラもアサヒビールも、オリンピックのロゴを付けた商品を売らないんだなと思っていたら、コンビニにあるアサヒスーパードライにはロゴが付いていた。是非他の商品にもロゴを付けておいてくれ、ダセえ企業の商品を避けやすくなるからよ、と天邪鬼なことをつい言いたくなる。

どのスポンサーもオリンピックロゴを付けた商品は売りづらいのだなと思ったけれど、よく思い返すと一つ、オリンピックとタイアップした商品をずっと店頭に並べているジャンルがあった。バンダイのプラモデルだ。ガンダムとハロはよく店頭に並んでいるし、ちゃんと動きがあるようにも見える。

これに関しては、珍品として手元に置いておきたいという気持ちはちょっと分かる。中止になった方が珍品度は高まっただろうな。

趣味の悪い考え方だけれど、中止にしたほうが「幻のオリンピック」としてそのイベントの価値は上がったのかもしれないな。少なくとも今のようなダーティなイメージにはならなかっただろう。

20210623 ゲリラ販売

ヨドバシのクレジットカードを作った。PS5をヨドバシの店頭で購入しようと思ったのがカードを作った大きな動機だったのだけれど(ヨドバシの店頭でPS5を買うには、本人証明としてヨドバシのクレジットカードが必要なのだ)、PS5の店頭ゲリラ販売の現場に立ち会うのがなかなかハードルが高い。

ヨドバシの梅田店や京都店で、PS5をゲリラ販売している現場を見かけることはたまにあった。ただ受動的にゲリラ販売の現場を目撃するのと、能動的にゲリラ販売に参加するのとでは大きく違う。

外出の自粛が求められるご時世に、足繁く店頭に通うなんてことはできないので、運良く現場に出会えることを期待するしかない。


漫画をTwitterで紹介する時に「~の話」といった説明的なキャプションを付けるのは味気ないなと思う。ラノベで説明的なタイトルを付けるのは文化だと思うけれど、ちゃんとしたタイトルがある漫画を紹介するのに、タイトルを書かずに説明を書いてしまうのには、あまり惹かれない。

致命的なのは、その漫画紹介を読み終わっても、肝心のタイトルを記憶に残せないことだ。後からあの作品なんだったっけ?と思い出そうとしても、作品の詳細にたどり着けずに忘れてしまった漫画はたくさんある。

20210624 仕事あっての趣味

仕事に対する一喜一憂が激しい。仕事に振り回されてしまうのは、やっぱり心のどこかで、仕事を生きがいだと思ってしまっているのかもしれないな。

というより、仕事以外に対してあまり強い興味を持てなくなっているのかもしれない。趣味は山ほどあるけれど、仕事の調子が悪いと趣味への興味がかすんでしまう。趣味が存分に楽しめているのは仕事でお金を稼いでいるおかげだと思っているから、地盤となる仕事が不安定だと趣味への興味も揺らいでしまうのだろう。

脳味噌を一ミリも使わずに仕事ができるようになるのが一番幸せなのかもしれないな。ただそんな仕事に就いていたら、それはそれで失職しないか不安で趣味に没頭できなさそうではある。

何も引け目を感じずに仕事し、かつその仕事が誰にも真似できない、というのが精神衛生上ベストなのだろう。ただそれは天才の仕事だ。天才に生まれたかったなあ……。しかし天才は天才でまた、天才なりの悩みがあったりするのだろうな。仕事が終わったら仕事のことは忘れて生きていけたらいいのにな。そう思って世の中の労働者は、夜に酒を飲むのだろう。

20210625 感染拡大

東京のコロナウイルスの感染者数が増え続けている。潜伏期間を考えると、緊急事態宣言中の時点で感染が拡大していたということだろう。宣言解除するとさらに感染拡大は加速するだろうし、ワクチン接種が進まない限りは感染者数を抑制できないだろう。オリンピックにPCR検査のキャパシティを奪われて感染者が減ったように見える可能性はあるかもしれないけれど……。

春頃の増加傾向がここから続いていくとすると、オリンピックの開会式の頃にはまた緊急事態宣言の発令を迫られるのだろうか。日本の蒸し暑い気候がウイルス感染を抑制してくれることを願うばかりだ。

オリンピックの開催にリソースが割かれることで感染は拡大するだろうし、オリンピックと同時期、それ以降に予定されていたイベントのいくつかは中止、無観客に追い込まれるだろう。

この一年間、飲食業、販売業、レジャー業が少しずつ分け合って食べてきたパイを、オリンピックは根こそぎかっさらってしまう。それだけではなく備蓄の小麦も底を突くだろう。分け合う気がない人が乗り込んできてしまったら、共同生活に必要な信頼は消し飛んでしまい、未来のことを考えない資源の奪い合いになる。


ワクチン接種が進んでいるイスラエルやイギリスでコロナウイルス感染が再拡大している。世界的に見てもオリンピックなんてやっている場合ではないのだ。

DMM英会話で外国人講師とオリンピック開催の是非について意見を交わすことがあるけれど、開催は危険だから中止すべきだという意見の講師にしか出会ったことがない。私が会話するDMM英会話の講師は先進国在住ではなく、ワクチン接種の目途も立っていない国が多い。

オリンピックの開催について講師と会話しながら、開催に突き進む日本の判断が恥ずかしくなってしまう。なぜ安全と考えているのか? という講師からの質問に、私は日本語でも回答ができない。


もし私がオリンピックが好きで、近年で一番楽しみにしていたイベントがオリンピックだったのなら、オリンピックを開催して欲しいと思ったかもしれない。私がオリンピックに出場する権利を持ったアスリートだったら、できれば開催できないだろうかと思ったかもしれない。ただ残念ながら私はもっと他に大切なものがあるし、それは他の多くの人にとってもそうなのだろう。だから世論調査では開催の延期や中止を求める声が多数だったのだ。

開催したらどうせ皆オリンピックを見るでしょ、というのは、そりゃそうだと思う。世界の最高峰のアスリートが集うイベントなのだから。ただそれはオリンピックの開催の是非とは関係がないことだし、開催を正当化することにはならない。

アスリートが主役の大会として、スポーツの世界大会をやるのはいい。ただパーティ的なものとしてやる必要はない。パーティにしたいのは耳目を集めたいスポンサーの都合だろうけれど、主役はアスリートであってスポンサーではないのだ。わざわざ観客を集めてやる必要もない。今回会場で観客が競技を観てその感動を周囲に伝えたとして、周囲がその観客の感動に心を寄せられるわけがない。開会式や閉会式もいらない。そもそも種目別に分けて大会を開催すればいいし、感染拡大の危険性が高い競技は中止したほうがいい。オリンピックという看板が邪魔なら外せばいいし、看板をそのままにしてシンプルな競技大会にするのもいい。関係者には是非ともリモートで参加してもらうべきだ。

20210626 電動歯ブラシ

Amazonプライムセールで唯一買った、フィリップスの電動歯ブラシが届いたので早速使ってみた。

これはすごい。驚くほど歯がツルツルになる。舌で歯を触ったときの感覚が明らかに違う。今までの歯磨きは何だったんだ。

電動歯ブラシを使ってみても、なんやかんやで普通の歯ブラシで磨かないと不安になるかもな、慣れた方法からは離れられないかもしれない、と心配していたけれど、これは一気に価値観が逆転した。素晴らしい。もうむしろ電動歯ブラシで磨かないと不安になってしまいそうだ。

20210627 人出

梅田に出掛けた。すっかり緊急事態宣言前の頃の人出に戻っていた。

親子連れを多く見かけると、人出が戻ったなと思ってしまいがちになる。親子連れというグループの形に不要不急を感じてしまうからだろうか。もちろん大人が一人で歩いていたら、それは必要な外出であると言えるわけではないのだけれど。私の外出が必要な外出なのかも怪しい。そもそも必要とはなんだ……ひつよう……。

街が賑やかだと気が緩んでしまい、街が静まりかえっていると気が張る、という気持ちの動きはあるかもしれないなと思う。これだけの人が外出しているのだから大丈夫だろう、と思ってしまうのは、なんだかいい加減な生き方ではある。少なくともコロナ対策の観点では、街が静かだと安心し、街が賑やかだと危険を感じるべきなのに。