20210416 図書館育ち

本屋に行くと、何かしら本を買ってしまう。本屋の棚を物色するときも、何か本を買って帰ることを前提として読みたい本を探してしまう。本屋に足を運ぶ機会も絞っているのに、手ぶらで本屋を去るなんて考えられない! 旅行先でお土産を買う時の気持ちに近い。

最寄りのジュンク堂の品揃えが好きだ(先日の日記の棚はこのジュンク堂ではない)。ジュンク堂といえば背の高い本棚だ。本棚の森をさまよう体験は、ネットで簡単に本を購入できる今だって、私の足を本屋に向けさせる。背の高い本棚の前に立つと、子供の頃に図書館に連れて行ってもらったことを思い出す。私の中の背の高い本棚への憧れは、図書館のイメージから始まっている。子供の頃は二週間に一回、図書館に行くのが楽しみで、本を選ぶのに二時間ぐらい時間をかけていたように思う。何度も図書館に通っていると、本棚もおよそ見慣れた背表紙になる。けれども何度か本棚を眺めていると、なぜか突然眼に止まる本があったりして、借りて読んでみたら面白くて、興味を持つジャンルが広がったりする。

図書館に通っていたあの頃から、背の高い本棚を眺め続けることで、なぜか突然読みたい本が浮かび上がってくると思っている。本棚にある本を全部読めずに一生を終えることなんて、子供の頃から理解していたけれど、本棚にあるどの本も読む権利はあることに心躍っていた。子供の頃に通っていた図書館での体験が、今も続く本屋への憧れに繋がっているのだなと思う。