20210420 CDの価値/LP+Blu-ray

新しい音楽のアルバムが出ると知ったときに、「CDを買う」という選択肢が自分の中でかなり薄れてしまっていることに気付く。Spotifyで聴けるならSpotifyで聴くし、ダウンロード販売されているならそちらで購入するし、LPが出るならLPを購入する。私の中でCDを買う優先順位はすっかり下がってしまった。CDというデバイスに価値を感じなくなってしまった。DVDやBlu-ray特典付きだと買うけれども、Blu-rayは再生してもCDは一度も再生しなかったりする。

CDに出会った子供の頃から最近まで、CDを買うことはファンの証であると私は信じていた。CDをレンタルするよりも、ダウンロード販売で購入するよりも、そのアーティストのファンならCDを買うべきだと思っていた。それはCDという物理デバイスを自分の手元に置いておくことに価値があると思っていたからだ。しかしCDのディスクに触れるタイミングがパソコンにデータを取り込む一回だけになり、CDを買う機会自体すらめっきり少なくなってしまうことで、CDというデバイス自体に価値を感じなくなってしまうとは思わなかった。

CDを一枚買うのに雑誌の新譜ページを吟味して、買ったCDの読み取り面のきらめきに神聖さを感じていた頃からは、私の感覚は遠く離れてしまった。今はLPの表面に神聖さを感じているけれど、これは私がまだCDほどLPというものに慣れていないからだろうか。

ただこれはCDがLPより劣っているということではなく、CDの役目をサブスクリプション配信が上書きしてしまって、唯一残っていた「物理デバイスの魅力」でLPがCDに勝ってしまったということなのだろう。音質の良し悪しはともかく、LPの音はサブスクリプション配信では再現ができないのだ。


くるりのアルバムが28日に出るのが楽しみだ。きっとBlu-ray付きの完全限定生産盤を買うだろう。LPとBlu-rayの組み合わせがあるのが一番ありがたいけれど、新しいメディアと古いメディアの組み合わせなんて、パッケージ化しても採算が取れないのだろうな。