20210407 後列の本/電子書籍と紙の本

収納スペースが増えたおかげで本の整理をするスペースができた。早速、今ある本――今床に置かれてある本を本棚に収納していく。今使っている本棚には奥行きがあるので、前列後列の二列で収納することが可能だ。背表紙が見える前列には新しく買った本やお気に入りの本を並べて、後列には逆に古い本やいつか読み返すかもしれない本をしまっておけば、本棚の収納力が十分に生かせる。

……といった並べ方を長らくやっていたのだけれど、いよいよ後列にしまう本がなくなってしまって困っている。収納スペースに苦しみ続けて、蔵書は何度も何度も圧縮している。後列にしまい込むような本はもう大方処分してしまったのだ。

そして、前列から後列に格下げされるような蔵書も最近はなかなかない。後列に格下げするぐらいならもう処分してしまおう、という発想になってしまうのだ。圧縮に慣れすぎてしまったせいで、後列にしまい込んでも二度と読む機会がないだろうな、と予期できてしまい、すぐに処分してしまうようになってしまった。そもそも十分に本棚があればこんなことにはならないのに……広い持ち家が欲しい。次に引っ越すときにはファミリータイプにしたい。

後列にしまい込みたくないと思ってしまうのは、本の背表紙が見えないからだ。だったら後列だけ少し底上げして、背表紙が上半分でも見えるようにしたらいいのかもしれない。そういった収納アイディアを以前どこかで見たことがあるような気もする。

しかし私はそもそも収納スペースに困っているのだ。本棚の棚板の上下幅が本の高さよりかなり広いので、前列後列の二列に並べたその上に本を収納したくなってしまう。底上げなんてわざわざスペースを潰してしまうようなことは、私にはできない。どうやら書庫を持つ以外に、この問題を解決できる方法はなさそうだ。


以前は、単行本を文庫本に買い換えてスペースを圧縮したりすることもあった。装丁が気に入っていたり本当に好きな本は単行本で残し、後で読み返したいなと思うぐらいなら文庫本に買い換えていく。こうして文庫本のスペースはじわじわ増えるものの、単行本のスペースは確保できるようにしていた。

ただ最近は、場所を節約するために文庫本を買うぐらいなら、文庫本を電子書籍で買ったらいいのでは? と思うようになってきた。単行本は紙の本で買いたい、文庫本も紙のほうが正直なところ読みやすい、でもスペース確保を優先するなら電子書籍で買ったらいい。Kindleで買った本はAmazonがコンテンツを管理しているので「所有」している感覚は薄いけれど、「所有している感覚がないからこそ、気軽に買って読みやすい」という利点があることにも気付いた。置き場所の心配をせずに本を買えるようになったのは大きい。

そして不思議なことに、Kindle電子書籍を買い始めてから「紙の単行本を紙の文庫本に買い換える」ということも減ったのだ。文庫本で買うぐらいなら電子書籍で買った方がいいし、逆に紙の本として所有しておくなら単行本で置いておきたい、という両極端な気持ちが芽生えてきたのだ。音楽CDを買わなくなり、Spotifyで音楽を聴きながらたまにレコードを買うようになった、という現象が書籍でも発生しているのかもしれない。